| 17.ベンチマーキング |
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ベンチマーキング 経営改革のために、他部門や他社の最高の実践方法を参考にし、ある指標(ベンチマーク)を設定して、改革の具体的な目標を与える手法のことをベンチマーキングという。 ■科学的に人のまねをすること ベンチマーキングとはベンチマーク(ものごとの基準となる指標)という言葉の進行形であり、「指標を設定する」という意味である。 ただ、これが経営の言葉として使われると特別な意味を持つ。経営の分野でベンチマーキングというと、経営やプロセスの改善を行う場合に、他部門や他社の優良事例を参考にし、目標を設定することをいう。また、ベンチマーキングという言葉が使われる場合、参考にする最高の実行例のことをベスト・プラクティス(ベスト=最高、プラクティス=実行)と言ったりする。 ベンチマーキングやベスト・プラクティスという言葉がさかんに使われだしたのは、1980年代に、米国の製造業が日本の製造業の良いところを研究しだした頃からである。トヨタの看板方式や職場の小集団活動による改善活動などが盛んに研究され海外のメーカーで採用されていった。それらの言葉はいまや「KANBAN」、「KAIZEN」という英語の言葉になっている。 誤解を恐れずに言えば、ベンチマーキングとかベスト・プラクティスとう言葉が出てくれば、「ひとまね」をすることをカッコよくいう時に使う言葉と覚えておけばよい。 ただ、それが「さるまね」と違うのは、それを科学的にやるところである。ベンチマーキングとは、先ずどの分野の経営改善を行うのかという業務の適用範囲を明確にし、次に他社の最高の実践例(ベスト・プラクティス)と自社の差を分析して目標を設定し、実行しその結果を評価するという一連のプロセスをいうのであり、猿が考えもなしに人のまねをする「さるまね」とは全く異なる次元のものなのだ。 ■まねをすることの大切さ 以前、現代のビジネスで大切なのは独自性であり、人のまねをして生きていける時代は終ったと書いた。それは間違いない。 しかし、そもそも独自とはどういうことであろうか。世の中で「独自」とか「独創」と言われるもののベースには常に人を参考にしたりまねをしたりするということが存在する。 ニュートンが万有引力の法則を発見した時、「私がそれを成しおえたのは、先輩達の肩の上に乗ってリンゴが落ちるのと見たからだ」と言ったという。つまり、自分の成果は先輩達が営々として築き上げてきた科学知識の積み重ねがあったからだというのだ。 本田宗一郎氏の下で働いたことがあるという技術者が次ぎのような話を聞かせてくれた。「本田宗一郎氏は独創を大切にした人だが、彼は独創の95%はものまねであると言っていた。」つまり、独創的なエンジンを開発するといっても、副燃焼室をつけるくらいなもので、エンジンの基本的な機構自体を一から作ったわけではないというのだ。 私達の身の回りにも、他社の例を参考にして大きく成長したビジネスがたくさんある。セブンイレブンは独自のシステムや日本人向けの独特のサービスを持っているが、もともとはアメリカで生まれたビジネスである。もとは材木屋のジョイフルホンダというホームセンターがあるが、アメリカのホームセンタービジネスを視察して、これを日本に持ち帰り大きな成功を収めている。 ホテルのコンシェルジュというサービス係のコンセプトが百貨店など他のサービス業にも広まっている。コンシェルジュとは、ホテルで劇場のキップや旅行の手配をするサービス係であったが、今ではレストランの紹介から探しものまで、お客様の要望には何でも答える高級な接客役という役割になっており、このお客様に「No」と言わない、徹底した顧客第一主義の対応とコンセプトが他の業界でもまねされているのである。 「独創の95%はものまね」である。この言葉を胸に、他社・他業界の参考になる例をどんどん取り入れてみては如何だろう。
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