| 19.キャッシュフロー経営 |
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キャッシュフロー経営 キャッシュフロー経営などというと難しそうに聞こえるが、要はお金の出入りを見て経営をしなさいということであり、中小企業の社長さんこそが日々実践していることである。 ■キャッシュフローはウソをつかない 会社が黒字であっても資金がショートし不渡りが出れば倒産するように、会社経営においては実際のお金(キャッシュ)がどう流れているか(フロー)を把握しておくことが極めて重要である。損益計算書の損益ではなく、キャッシュの出入りを重視し、キャッシュフローの最大化を最重要項目と位置づけて経営することをキャッシュフロー経営という。 なぜ損益計算書ではなくキャッシュフローが重視されるかというと、一つには損益計算書は経営実態を正確に表していないという理由がある。 商品を掛売りすると、損益計算書上の売上はたつがその時点では現金は入ってきていない。つまり、損益計算書と実際の現金とは連動していないのだ。これくらいのことはだれでも知っているが、「借入金の元金返済額は損益計算書のどこに表れますか?」という質問をすると答えられない社長さんが多い。元金返済額は損益計算書には表れないのだ。 損益計算書には現金の動きがすべて表れるわけではないから、勝手にお金を使ったり損益をごまかしたりすることができる。社長が社長借入として会社からお金を借りても損益計算書は何も変化しない。また、繰延資産は任意償却になっているので、研究開発費を繰延資産計上すれば、本来なら利益を圧迫するような費用も、損益を悪化させずに何年間かは繰延できる。 つまり、損益計算書は社長や会社の都合によってかなり意図的に作りかえることができる。しかし、キャッシュフローは実際のお金の出入りだからウソがつけないのだ。 ■キャッシュフロー計算書と資金繰表 今から5年程前に上場企業などに対して、財務諸表の一つとしてキャッシュフロー計算書の作成が義務づけられた。その頃から日本でもキャッシュフロー経営が叫ばれるようになった。キャッシュフロー計算書とは収支明細書であり会社の家計簿のようなものだ。 中小企業にはキャッシュフロー計算書の作成が義務付けられているわけではないし、キャッシュフロー計算書は一般的に間接法で作られるためなじみにくい。 我々にとってなじみの深いキャッシュフロー計算書は資金繰表だ。資金繰表は直接法で作られるが、間接法であろうと直接法であろうと収支の数字は同じである。 中小企業の社長さんは資金繰りを勘でやっている人が多いが、是非税理士さんに指導してもらって資金繰表を作って頂きたい。これこそがキャッシュフロー経営の第一歩である。 更にもうひとつ税理士さんにお願いし、損益計算書と貸借対照表とキャッシュフロー計算書の財務3表の数字のつながりを説明してもらうといい。 損益計算書の当期利益は貸借対照表の資本の部の剰余金と繋がっていることや、設備投資をしても損益計算書の数字は変化しないが貸借対照表とキャッシュフロー計算書の数字は変化するなど、財務3表のつながりが理解できる。この財務3表のつながりが理解できれば財務諸表の仕組みが分かってくる。 ■フリー・キャッシュフロー 営業活動から出てくる現金から事業活動に必要な設備投資資金を引いたものをフリー・キャッシュフローと呼ぶ。つまり、会社が自由にできるお金である。会社を売買する時に会社の値段を決める時もこのフリー・キャッシュフローが将来においてどれくらいありそうかが基準となる。投資判断もこのフリー・キャッシュフローがベースとなる。ビジネスの世界では企業価値の判断、投資判断など重要な意思決定は全てキャッシュベースで行われている。 だからといって何も恐れることはない。キャッシュフロー経営とは現金の出入りを意識して経営することであり、大企業の経営指針が、今やっと中小企業の感覚、つまりは「現金の出入りを見て経営する」という段階に来たということなのだ。
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