| 23.知的財産 |
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知的財産 財産と言われると日本人はお金や不動産を思い浮かべる。しかし、それらは単なる形にすぎない。本当に価値のある財産を生み出すのは目に見えないものである。 ■狭義の知的財産とは 知的財産と言われて頭に浮かぶのは知的所有権であろう。知的所有権には「工業所有権」と「著作権」がある。工業所有権の中には特許権(パテント)、実用新案権(考案)、意匠権(デザイン)、商標権(トレードマークなど)があり、それぞれに対応する法律として特許法・実用新案法・意匠法・商標法がある。 著作権(コピーライト)は、絵画・文学・音楽などの創作物に与えられる権利だが、昨今では半導体回路、コンピュータソフト、インターネット、放送、広告宣伝など、ビジネスに関わる分野でも著作権に関わる事例が多くなってきている。 著作権が工業所有権と大きく異なるのは、著作権は登録しなくても著作者が著作物を創作した時点で権利が発生することだ。ただ、登録することにより著作者や著作物の保護期間が明確になるなどのメリットもある。また、半導体回路の著作権については半導体回路配置法に基づき登録手続きがなされている。 ■広義の知的財産とは 知的財産とは知的所有権だけを意味するものではない。ビジネスモデル、ブランド、経営手腕、マネジメント能力、組織力、従業員など、知的所有権以外にも知的財産と呼ばれるものはたくさんある。 組織力とは組織の中のルール、手順、標準、教育、文化風土、顧客との良好な関係などである。会社が規模を大きくする段階で突き当たる課題は組織化である。会社の中のルール、手順、組織文化などが整わなければ組織としての能力は発揮できないのだ。従業員とは従業員の能力、やる気、経験、人的ネットワーク、情報量などのことである。これら全てのものが知的財産であり、目に見えないものばかりだ。しかし、この目に見えないものが会社の価値を作りだす真の力であり財産なのだ。 人間社会は農業社会から工業社会に移り、今はサービス社会に移行している。これからは建物や機械などの資産、はたまた人間の作業など、物や人の行為が価値を生むのではなく、人間の知恵、つまり目に見えないものが価値を生み出してゆく時代なのだ。それは既に多くの識者が知識革命とか知価革命とかという言葉で指摘している。 ■財務諸表の中の知的財産の位置づけ 知的財産の概要は上記の通りであるが、ビジネスの状況を表す財務諸表の中で知的財産が資産として取り扱われているのは貸借対照表(バランスシート)の中の無形固定資産の項目程度である。この項目の中でも知的所有権として資産計上されるのは取得にかかった費用のみである。しかし、知的所有権はひとたびその価値が発揮されれば莫大な資産を会社にもたらすのである。 このように財務諸表は会社の状況を表すものであるが、財務諸表が表しているのは物と金だけであり、本当に資産を生み出す知的財産の価値については財務諸表の中で殆ど何も触れられていないのだ。 ■人財としての人材 財務諸表に載っていなくてもビジネスの価値を作り出すのは人である。優秀なビジネスマンはそうでない人の100倍以上の価値を生み出すと思う。優秀でない人は問題を解決するのではなく、作らなくてもよい問題を作り出したりもする。つまり、マイナスの仕事をしたりするのだ。作業が価値を生む時代には頭数だけ揃えておけばよかった。しかし、知が価値を生む時代は人間の質が問われる。小学生を100人集めても大学生にはならないのだ。 企業は人・物・金と言われるが、物と金そのものは単なる形にしか過ぎず、そのもの自体が価値を生み出すわけではない。その会社に関わる人がその会社の物と金をいかに使うかによって価値を生んだり生まなかったりするのだ。 社長の一番の仕事は人材を人財にすることである。社長にとってそのこと以上に大切な仕事はない。
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