| 教育コンサルタントの自画像 |
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1.私にとってはイメージのよくなかったコンサルタント・研修講師 私の現在の仕事は大きく二つの種類に分かれます。一つは「社長の右腕業」と称して、中小・中堅企業の社長のサポートをすることです。どこの中小企業も本社業務が手薄です。私はそんな会社の社長の右腕として、戦略作り、モチベーション向上施策の導入、帳簿を整備しての業績管理や資金繰りなどのお手伝いをしています。もう一つの仕事は企業の幹部社員教育です。幹部社員を教育しようと思えばその内容は「経営全般」となり、私のコンサルの内容と一致するのです。 私が何故このようなコンサルタント・研修講師になったかを少しお話ししたいと思います。私は元々海外に製鉄所を建設するプラント輸出という仕事のエンジニアでした。勤めていた会社の人事異動で人事部・企画部に移り、その後企業派遣で海外のMBAに留学させて頂きました。 この留学で私の価値観は大きく変わりました。それまでは上場企業に勤め、それも人事部に所属していることにある種の誇りを持っていました。しかし、アメリカの優秀な同級生達は自らリスクを取り起業していきました。そして一番ダメそうな人が大手企業に就職していったのです。このアメリカの挑戦を大切にする社会を目の当たりにし、私の職業観は大きく変わりました。「これからの日本には、自分で立ち新しい価値を生み出す人が必要だ。そうするためには先ず自分自身がそうなるべきだ」と思い、将来に何のあてもなく独立しました。 ですから、会社を辞めた時、特に「これをやりたい」ということがあったわけではありません。会社を辞めてからやることを考えました。最初にしたことは「これからやってみたい」事と「こんな事だけはやりたくない」事のリストアップでした。「やりたくない仕事」のトップに挙げたのが「コンサルタント」で、二番目が「研修講師」でした。今でもよく覚えています。 私のとってはこの二つの職業はあまり良くないイメージがありました。しかし、独立後最初に手がけた事業にはあえなく失敗し、生きていくためには、自分がやってきた分野で、ご縁を頂いたことをやるしかなかったのです。
2.本物と独創がなければ このようにしてなったコンサルタント・研修講師ですから、私自身が持っていた悪いイメージのコンサルタントや研修講師にはなるまいと思いました。なぜなら、そうなってしまうことは自分自身の人生を自ら価値ないものにしてしまうからです。 成果を出すこと、同業や他の人達とは全く違うやり方を作り出すこと、極端に高い評価を得ることなどに拘りました。しかし、すぐには結果もでませんでした。多くの方にお世話になりながら現場に這いつくばって一つひとつ工夫していく中で、やっとこの2〜3年、コンサルタントとしても研修講師としても成果が出たり、高い評価を頂けるようになったと感じています。 「戦略・マーケティング」も「チームマネジメント」もその本質は全く同じです。それは「相手の心がつかめるかどうか」「相手中心の考え方が出来るか」どうかです。そういう意味ではビジネスの中でやることは全て同じなのです。 組織の問題を突き詰めれば全て人間の問題に突き当たります。そして人間関係の問題の殆どは自己中心性が原因です。多くの管理職は、部下のやる気や能力が低いことが問題だと思っていますが、部下自身が自分のやる気が低いことで悩んでいる人はそう多くありません。部下のやる気が低いことを問題にしているのは上司であり、部下のやる気や能力が低いのは実はそれに対して何もできていない上司自身の問題なのです。 戦略・マーケティングというとすぐにSWOT分析が出てきます。「自社の強みと弱み、市場の機会と脅威を分析して戦略を立てましょう」ということですが、皆さんは今までSWOT分析をして実効ある戦略が作れたことがありますか。 私はSWOT分析はそのままでは現場で使えないと思っています。ではどうするか。大切なことの一つは強みに焦点を当てることです。しかし、自社の強みを分析しても強みなど一つも出てきません。それは人間の場合も同じです。皆さんは自分の強みを明確に言えますか。私など自分の強みを分析しても強みなど何一つ出てきません。強みは分析するのではなく自ら作り出さなければならないのです。 強みを作り出そうと思えばその方法はたくさんあります。その一つは顧客を中心にして徹底的に知恵を絞ることです。本当に顧客のことを考えればビジネスチャンスはいくらでも転がっています。ところが、多くの企業は顧客のことなど一番には考えていません。利益・成果・ノルマと、いつも自分のことが一番です。
3.今関心のあるテーマ 企業の目的は利益だと多くの人は思っています。しかし、企業の第一の目的は利益を上げることではありません。それは「お客様に選んで頂ける商品やサービスを提供すること」です。偉大な経営学者ピーター・ドラッカーも同じようなことを言っています。我々日本人の祖先のビジネスに対する考え方は「経済と道徳を分離しない」というものです。「富は常に徳の結果である」「徳に励む者には財はもとめなくても生じる(西郷隆盛)」「売り手よし、買い手よし、世間よし(近江商人の教え)」皆同じことを言っています。 現在日本で教えられているビジネス理論は、殆どが西洋的論理思考をベースにしています。それは物事を分類し、因果関係を特定し、優先順位を明確にするというものです。しかし、その西洋的論理思考がいたるところで限界にきています。 東洋思想では物事を分類するのではなく全体で捉えようとします。その良い例が、専門に細かく分かれた総合病院と針・灸などの東洋治療です。ビジネス界においても縦割りの弊害が指摘され、今は横串や共生が求められています。 因果関係に関しても、東洋では昔から「因果の間に縁がある」と言います。物事は計画通りには進まないのです。因と果の間には人が関わり時間の経過があり偶然があります。ですからビジネスは論理的に考えるより、「井戸を掘るなら、水が湧くまで」というような実践を重んじる東洋的な態度が大切なのです。 優先順位の決定についても、人間には認知限界がありますから論理的な意思決定がいつも正しいとは言えません。逆に論理的な判断はだれがしても同じものになってしまい、差別化できない意思決定になりがちです。判断にはもっと直感を大切にすべきです。最近の脳科学の分野でも「直感」の持つ偉大な力が見直されています。 これからの時代は、お金持ちのために働く資本主義や、自社の利益や自分の成果だけを大切にする利己的なビジネス思想ではなく、「売り手よし、買い手よし、世間よし」といった東洋の利他的なビジネス思想が、企業と従業員、そしてお客様を幸せにしていくと考えています。
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